<span style=font-size:x-large>恭也の散々な一日〜リンディ編〜</span>
色々と大変な思いをしている俺だが、本日は割と平和だった。
いつも流されたり、微妙に暴走しがちだが、普段は割と他の子達と比べて普通のフェイトの家にお邪魔しているからだ。
――――ま、まぁ、後々なのはやはやて達が微妙に恐ろしいがそれは今は忘れよう、うん。
ともあれ、のんびりと夕食を頂いた俺はクロノくんと共にのんびりとテレビを見ていた。
うむ、男だけの空間は素晴らしい! そっちの趣味は無いが、周りが余りにもアレでここ最近俺は赤星を含めてほとんど男友達と話す機会がなかったからな。
「いや、しかしこの前は済まなかったな」
「い、いえ……何時もの恭也さんに比べればそんな、なんでもありませんよ」
「いやいや……なのはに聞いたぞ、アリアさんとロッテさんだったか? 確かその後にも……」
「それを言ったら恭也さんなんて……」
エイミィさんとリーゼ姉妹にされたことを聞き、思わず涙が出そうになったのは記憶に新しい。
お互い涙ぐみながら慰めあっていると。
リンディさんが顔を出した。
「どうしたの、恭也さん、クロノ?」
「いや、なんと言うか……」
「同属に連帯感を持つというかなんと言うか……」
思わず哀愁が漂いそうになる俺達を見て、リンディさんは苦笑した。
そして、ふと、思い出した。
「そういえば、フェイトは大丈夫ですか?」
「……ええ、大丈夫よ、問題はないわ」
クスリと笑いながら言うリンディさんに、俺とクロノは最近会得した、謎のレーダーにいやな反応を示した。
俺とクロノは顔を見合わせた。
(恭也さん……!)
(分かっている、とりあえず君はここから離れたほうが、いい……!)
(そんなっ! 恭也さんを見捨てることなんて……!?)
(大丈夫だ、幸い相手はリンディ提督、狙いは俺ではない可能性が大きい……と、思う。 何せ、フェイトに色々と仕込んでいるのだからな)
よく分からないが、同じ境遇のもの同志、俺達は視線での会話を済ませると、クロノは目の端に涙を溜めながらも立ち上がった。
だが、これが、これこそが今晩の運命を決めることになるとは思わなかった――――!
繰り返すが、リンディさんはフェイトに色々と仕込んでいたのだ。 そう、このリンディさんが!
「そ、それじゃあ、ボクは部屋に戻るから」
「あら、そう? ゆっくりとしてね。 そう、ゆっくりと、ね、クロノ……」
奇妙な違和感を覚えるクロノ。
だが、今この場に居るのは良く無いと直感的に理解したのか、戦術的撤退をした。
残されたのは、俺とリンディさんだけだった。
「恭也さん?」
「は、はい……」
喉がからからになりそうになりながらも、俺は必死に声を絞り出す。
リンディさんは苦笑しながら、俺に語りかける。
「緑茶でもいかがですか?」
「あ、ありがたく頂きます」
どもりながらも、リンディさんが入れてくれたお茶を飲む。
ふぅ……人心地ついた――――
「ところで、フェイトさん‘達’とはうまくいっているかしら?」
<span style=font-size:x-large>「ぶっふうううううううううううう!?」</span>
――――ところで、思いっきりむせる。
げほっげほっ……と、むせるているとリンディさんが背中を摩ってくれた。
「す、すみません」
「いえいえ、それで?」
「あ、いや……その?」
さ、流石に関係を持っていることをリンディさんに知られるのは……とか、思っていたがリンディさんは俺の予測斜めをいく言葉を返してきた。
「もう、恭也さん激しいんですってね♪ フェイトが嬉しハズカシで言ってましたよ♪」
「――――フェイト、君は」
るーと、目から涙がこぼれるが、今この場でそれを気にする人間は居なかった。
リンディさんは微笑みを浮かべると、俺の元へと擦り寄ってくる。
って、ええ?
「知ってます、恭也さん?」
「え、は、はぁ……?」
「ふふふふふふ」
背筋が凍るような何かが通り抜ける。
リンディさんは着ている服の胸元をはだけた。
リンディさんのふっくらとした柔らかい胸がゆっくりと晒されていった。
「私だって、もてあます時もあるんですよ?」
「な、何を!? り、リンディさん!?」
「特に、フェイトとあなたの事を聞いてたら、それはもう」
にっこりと妖艶に笑いながらリンディさんは言った。
ちょっ、この流れは、まずっ……!
「り、リンディさん……流石にクロノが居ますから……!」
俺は、必死に戦友である少年を出汁にする。
すまない……! だが、今の俺にはこれしか切り抜けるすべが無いんだ……!
「あら、クロノですか? クロノでしたら……」
<span style=font-size:x-small>『ちょっ、なんでここに居るんだ、エイミィ、アリア、ロッテ!?」
『うふふふふふ、クロノくぅ〜ん♪』
『クロ助、遊びに来たぞ〜』
『クロノ、久々にちょっと新しく試したいことあったから』
『ちょっ、三人とも、止め、あ、ああああああああああ!?!?!!」</span>
「……………」
「うふふふふふ」
さらば戦友、お互いにもう逃げ切れないんだな……
いつの間にか、バインドで拘束されていた俺はズルズルと寝室の方へと引っ張られていく。
「さぁ、今夜は眠れせませんから〜♪ フェイトもさっきからスタンバッてますよー」
るーと、目の幅涙を流したまま俺はリンディさんの寝室に連れ込まれ――――
バタンとそのままドアが閉まった。
翌朝――――
「あふぅ……恭也さんって凄いのね、途中から攻守が完全に入れ替わってたわ……」
「うん、ここ最近、同時に4人相手していたこともあったから……」
うっとりと囁く二人に、気力ゼロの俺には何も答えられなかった……
頼む、誰か俺か作者を殺してくれ……