恭也の散々な一日〜リィンフォースU編〜
先日の惨劇を辛くも乗り切った俺は、自宅の自室に置手紙をして旅に出ていた。
主だった目的は自分探しの旅である。
ここ最近の自分の行い(本人はそう言ってるが、ほぼ全部被害者側である)を思い、正直死にたくなったのだ。
実際、切腹も考えた、いやマジで。
――――なのは達に止められたが(もちろん、その後更正という名目で美味しくぱくりといただかれた……)
とりあえず、そんなこんなで各地を旅してきて居たわけだが……
「むがぁーーー!!!」
万年、桜の咲いている島で、金髪でツインテールのフェイトちゃんそっくりの子に「ごめんねー」と言われながら捕獲され拘束された……魔法で。 迂闊すぎだ、俺。 もっと精進せねば。
そして、そのまま俺はその島に偶然来ていた――――はやてちゃんに引き渡された。
「恭也さん、いかんよー? みんな心配していたんやから♪」
そういうわりには楽しそうだッた。
大型犬(いや、これは狼、か?)の上でじたばたしてもよっぽどきつく縛ってあるのか解けそうに無い。
彼は――――確か、ザフィーラか。
一瞬振り向いたザフィーラの目には、哀れみと憐憫の色があった。
その目を見ただけで、嫌な予感が倍増する。
「そういえば主、この者を捕獲してどうするんですか?」
「んー、ヤることはきまっとるんやけど、それ以外は考えてなかったなー」
「暖かいですぅー」
ちょっ、何か発言がおかしくないか!?
なぜか、はやてちゃんの方ではなく俺の体の上にいるリィンフォースU。 ちょぉっ!? ななななな、なんで下半身の方へドンドンずり下がってきてるんだ!?
ちなみに、ザフィーラの哀れみの視線は倍倍で跳ね上がっていたりする。
(助けてくれ!)
(……すまん、同じ男としてもどうにかしてやりたいが、我が主がお望みなのだ)
ぐっ……! これでは、ヴォルケンリッター……って、ちょっ、リィンさん!どこ触ってるんですか!?
思わず敬語になってしまう。
てっこら、ズボンのファスナー開けない、ちょっ、なかに入るのは……アッー!!!!
「あー、リィン、気が早いで?」
「はやてちゃん、でも、我慢できないですよぅー」
そう言いながら、すりすりと頬を擦り付ける。
へ、変なところにではないぞ!? 一応。
「んーせやな、うちもなんか気が急いてきたし……転移魔法でもどろか?」
「もがもがもがもが!!(俺は旅の途中だ!!)」
「気にしたらあかんよ♪」
何故か通じているが気にしてはいけない。
魔方陣が展開され、俺達の姿はその中へと消えた……
その次の日の明け方……
俺は、八神家で白む空を見ていた。
周りにいるのは、リィンフォースUと八神家主、はやてちゃん、そしてヴィータちゃんだった。
他のメンバー? 何故か三人とも(うち一人はあえて)予定がはいっていたからしく悔しがって居た。
ありがとう、予定を入れてくれた人達!
某所
「そっか……はやてちゃん、そうなんだ」
「うん、迂闊だったよね、なのは……」
微笑みを浮かべているのは、白と黒の天使達。
だが、その微笑とは裏腹に辺り一帯には闇が沈殿し、全てを滅ぼしかねないほどの強力な魔力が漂っている。
管理局? 辺り一帯に結界を何百重に現在進行形で張ってますが何か?
ガチャン、ガチャンと二人の持っている杖から音がする。
ちなみに、お二方とも既に最強形態だったりする。
そして、その心情を表すかのように魔力が燐光となって宙を漂っていた。
この二人、海鳴に恭也の存在を感じ取り慌てて戻ってきたのだ。 そして、この光景……
「ふふふふふ……そういえば、ヴィータちゃんに前のお礼をしてなかったね……」
「……恭也さんは渡さない……」
二人の少女はそれぞれの持っているデバイスを構えると魔力を溜めていく。
白の少女が宣言するように囁いた。
「逝くよ、レイジングハート」
「A…All right. my master」
黒の少女が、腰だめにもつ剣をゆったりとした動作で構える。
「バルディッシュ、久方ぶりに血を吸わせてあげるよ」
「Y…YES,SIR」
デバイスドン引きである。
二人の少女の足元に、魔方陣が展開されていく。
白の少女は砲撃の構えを。
黒の少女は斬撃の構えを。
そして、宣言する。
「スターライト――――」
「雷光――――」
そして、その後の言葉は、轟音によって掻き消された……
作者:……………
魔龍:うむ、なかなか見事な薙旋×10
恭也:はぁはぁはぁはぁ……
魔龍:流石に、アレだけやれば作者も死んだだろう、10分は。
恭也:人間止めてますね……